
不妊治療としてプラノバールを服用しているけど、避妊効果があるって本当?

プラノバールには血栓症の危険があるって聞いたけど、飲み続けて大丈夫?
プラノバールに関して、このようなお悩みをお持ちではありませんか?
プラノバールは、生理周期を正常化することを目的とした、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両方を含有する医薬品です。
この薬は体外受精などの不妊治療において、服用開始終了後、数日で生理を引き起こすことで知られています。
この記事では、プラノバールの効果や服用することで生じる副作用、注意すべき飲み方について解説します。
不妊治療としてプラノバールを服用する際は、正しい飲み方を心がけましょう。
- プラノバールを服用するの効果
- プラノバールの正しい飲み方
- プラノバールによる副作用の種類
- プラノバールを服用するときの注意点
この記事の監修者
不妊治療に使われるプラノバールの特徴
プラノバールは、女性ホルモンの一種である卵胞ホルモンと黄体ホルモンを配合した薬です。
この2つのホルモンのバランスを整えることで、生理関連の不調の軽減や、不妊治療において生理周期の調節に役立ちます。
ここでは、以下について解説します。
- プラノバールの特徴
- 不妊治療としての使用方法
- 低用量ピルとの違い
プラノバールを服用する前に、どのような薬なのかを理解しておきましょう。
プラノバールってどんな薬?
プラノバールは、中用量のピルです。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンを調節することで、機能性子宮出血や月経痛、月経周期の乱れなど、さまざまな月経に関連する問題を改善します。
妊娠が成立した場合、女性の体内では卵胞ホルモンと黄体ホルモンの濃度が自然に高まります。
しかし、プラノバールを使用することでホルモン濃度を人工的に高めることが可能となるため、結果として排卵が抑制されるのです。
不妊治療としての使用方法
プラノバールを避妊薬として認識されがちですが、実は不妊症の治療にも重要な役割を果たします。
この薬を服用することで、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが一時的に上昇し、脳が黄体期(排卵が終わってから月経が開始するまでの期間)であると誤認する状態を作り出します。
この結果、排卵が抑制され、生理周期の乱れが整えられます。
さらに、体外受精の際には、採卵の適切なタイミングを見極めるためにプラノバールが利用されることがあります。
このように、プラノバールは生理不順の改善だけでなく、不妊治療の一環としても効果を発揮するのです。
低用量ピルとの違い
プラノバールは中用量ピルに分類され、女性ホルモンの一種であるエストロゲンを50μg含有しています。
エストロゲンの量が、ピルの区分けにおける重要な基準です。
具体的には、50μgを超えるエストロゲン含有量を持つピルを高用量、50μg以下を低用量と呼びます。
高いエストロゲン量を含むピルは、効果の面では優れていますが、それに伴い副作用のリスクも高まるため注意が必要です。
過去には、避妊のために中用量ピルが広く用いられていましたが、現在では避妊には主に低用量ピルが推奨されています。
プラノバールは不妊治療以外にも効果がある
プラノバールには、不妊治療以外にも以下のような効果が認められています。
- 緊急避妊
- 月経予定日の調整
- PMS(月経前症候群)の軽減
- 月経困難症の緩和
プラノバールは中用量ピルとして、ホルモン配合量が多いため、緊急避妊薬としての役割も担います。
性交後72時間以内に服用すれば、80%以上の高い避妊効果が期待できます。
さらに、月経周期を自分の予定に合わせて調整したい場合も、プラノバールを用いることで実現可能です。
たとえば旅行や結婚式など、生理を避けたい特別な日のために、生理の予定を調整することができます。
PMSや月経困難症に関しても、プラノバールの服用は有効です。
月経前の不快な症状や月経痛の緩和、生理量の減少や日数の短縮などの改善が見込めます。
これらの効果は、多くの女性にとって大きなメリットをもたらします。
不妊治療でプラノバールを服用するタイミング
プラノバールを服用するタイミングは、緊急避妊や医師からの具体的な指示がなければ、いつでも問題ありません。
ただし、効果を最大限に発揮させるためには、毎日決まった時刻に服用することを心がけましょう。
服用する際は、水かぬるま湯で服用してください。
もし誤って指定された量以上を服用してしまった場合は、速やかに医師や薬剤師に相談しましょう。
プラノバールの副作用とは?
プラノバールには、いくつかの副作用があります。
ここでは、プラノバールの副作用の種類や発生するタイミング、副作用が起きる原因について紹介します。
副作用が生じた時に焦らないためにも、あらかじめ確認しておきましょう。
プラノバールによる副作用の種類
プラノバールを服用した際に生じる副作用として、以下が挙げられます。
- 血栓症
- 食欲不振
- 吐き気や嘔吐
- 頭痛
- 乳房の痛み
- 体重の増加
- むくみ
- 皮膚の発疹
特に注意が必要なのは、血栓症です。
脚の痛みやむくみ、激しい頭痛や胸の痛みなどがあった場合は、血栓症の兆候となる可能性があるため、直ちに服用を中止し医師に相談しましょう。
血栓症は、低用量ピルの使用時にも報告される危険な副作用で、特定の症状が現れた場合は速やかな対応が求められます。
プラノバールによる副作用の期間
プラノバールの服用を開始すると、副作用は早期に現れやすいです。
副作用がどの程度続くかは個人によって異なり、2〜3日で軽減されるケースもあれば、1週間を超える場合もあります。
服用を続けることで体が徐々に薬に適応し、副作用は時間が経つにつれて和らぐ傾向にあります。
副作用が長期間にわたって治まらない場合は、医師に相談しましょう。
プラノバールによる副作用が起きる原因

プラノバール服用に伴う副作用で最も注意が必要なのは血栓症です。
発生確率は極めて低い(0.1%〜0.2%未満)ですが、血栓が形成されると、生命に関わるリスクが高まる可能性があります。
特に、長時間同じ姿勢でいることが多い人は血栓症のリスクが高まりがちです。
定期的なストレッチを心がけましょう。
また、0.1%〜5%の人にみられる体重増加の副作用は、黄体ホルモンの自然な作用によるものです。
このホルモンは、妊娠を支えるために体内に水分や栄養を蓄える役割を持ちます。
そのため、食欲の増進や体内の水分保持が促され、体重増加やむくみが発生することがあります。
食欲が増加した際は、低カロリーの食品を取り入れるなどの工夫をしましょう。
不妊治療中にプラノバールを飲み忘れたときの対処法
プラノバールの服用を忘れてしまった場合は、思い出した際に直ちにその日の分を服用してください。
ただし、次の服用時間が間近に迫っている場合は、忘れた分を飛ばして次の予定どおりに1回分だけ服用しましょう。
2回分を同時に摂取することは避けてください。
万一、複数回分を一度に飲んでしまった場合には、速やかに医師や薬剤師に相談しましょう。
不妊治療でプラノバールを服用するときの3つの注意点
プラノバールを服用する際は、以下の3つの点に注意しましょう。
- 不正出血が続く
- お酒を控える
- 煙草を控える
不妊治療を成功させるためにも、正しくプラノバールを服用することが大切です。
体調に違和感があった際は、直ちに医師に相談してください。
不正出血が続く
プラノバールを含むピルの服用中には、生理以外の時期に出血がみられることがあります。
不正出血は、ホルモンレベルの変動により引き起こされるもので、出血の状態は人によって異なります。
特にピル服用初期の周期では不正出血がみられやすい傾向です。
出血量が多かったり、長期間にわたって出血が続くような場合は、医師の診察を受けましょう。
また、ピルの服用を忘れたことが原因で不正出血が起こることもあるため、服用を忘れがないように注意が必要です。
お酒を控える
プラノバールを服用中は、アルコールを完全に避ける必要はありません。
ただし、お酒を飲んだ後に嘔吐をしてしまうと、薬の効能が十分に得られない可能性があるため、注意が必要です。アルコールに弱い方や体調不良の際は、お酒の量を控えめにしましょう。
また、アルコールを飲む際は、脱水を防ぐため水分補給を心がけることが大切です。
脱水状態になると、血栓症などの副作用発生リスクが高まる恐れがあるため、水分を適切に摂取しましょう。
煙草を控える
プラノバールを服用中の方で、喫煙者は血栓症のリスクが増加します。
なぜなら、煙草に含まれるニコチンやその他の化学物質は血液の凝固を促し、プラノバールと組み合わさると血栓を形成しやすくなるからです。
特に、プラノバールのようなホルモン配合薬を服用している女性は、非喫煙者に比べてこのリスクが高くなります。
そのため、ピルの服用期間中は禁煙を検討してください。
加えて、長時間同じ体勢でいることも避け、定期的に身体を動かすことが大切です。
また、適切な水分補給も心がけることで、血栓症のリスクをさらに抑えることが可能です。
プラノバール服用後に生理は来る?
プラノバールの服用を中止した後、3〜6日ほどで生理が再開します。
しかし、この時期は個人によって異なり、中には1週間以上生理が始まらないケースもあります。
生理再開までの期間の差は、服用されたプラノバールの期間や量によっては、子宮内膜が完全には厚くなっていない可能性があるからです。
また、生理が再開しない理由としては妊娠の可能性や、婦人科系の病気以外の健康問題が潜んでいる場合も考えられます。
もし生理の再開について不安や疑問がある場合は、医師に相談しましょう。
不妊治療中のプラノバールの服用についてよくある質問
プラノバールは着床を助ける機能があるの?
プラノバールは、卵子の成熟や着床を助ける機能があります。
さらに子宮内膜を良好な状態に整えて、妊娠がしやすい環境を作るサポートや、月経周期の調整にも役立つ機能もあります。
このため、妊娠を望む場合は、これらの効果が重要です。
ただし、これらの効果を最大限に引き出すためには、正しい服用方法を守ることが大切です。
プラノバールは生理をリセットするんですか?
プラノバールの服用により、生理周期のリセットが期待できます。
プラノバールは服用開始によって、生理を早めたり、遅らせたりする効果があります。
これにより、不妊治療の前段階として、生理周期を整える手助けが可能です。
プラノバールの不妊治療効果は?
プラノバールは、避妊用の中用量ピルとしても知られている卵胞ホルモンと黄体ホルモンを含む薬剤です。
体外受精では初めに女性の体から卵子を採取し、続いてその卵子を体外で受精させます。
採卵の過程で、プラノバールは排卵を抑え、成熟していない卵子の早期排卵を防ぐ役割を果たします。
プラノバールを飲むと体重が増える?
プラノバールの利用者の約5%に、むくみや体重増加の副作用がみられます。
体重が増える理由として、プラノバールに含まれるエストロゲン成分が、体内に水分を保持する効果を持つため、むくみが発生しやすくなるからです。し
かし、定期的な運動やバランスの取れた食事を心がけることで、これらの副作用を軽減することができます。
プラノバールを飲むと排卵しますか?
プラノバールの服用中は、排卵は抑制されます。
しかし、薬の服用を中止した後、3〜6日で生理が始まることが一般的です。
この効果を活用し、不妊治療を成功させるために排卵後にプラノバールを使用し、妊娠しやすい環境を整えます。
不妊治療でプラノバールを服用するなら医師に相談しよう
プラノバールはその使用目的によって、さまざまな効果を発揮します。
服用を開始する時期や使用目的が異なると、期待する効果も変わってきます。
また、プラノバールは血栓症や太りやすいという副作用がありますが、水分補給や身体を定期的に動かすことでリスクを抑えられるでしょう。
少しでも体調に不安があれば、医師に相談してください。
医師と相談しながら正しくプラノバールを飲み、不妊治療に取り組みましょう。