
子宮内フローラを改善したい

なぜ子宮内フローラは乱れるの?

自分の子宮内フローラの状態はどうやって確認できるの?
子宮内フローラについて、以前は子宮が無菌環境であるとされていましたが、実際には腸内と同様にさまざまな細菌が存在していることが近年の研究で明らかになりました。
細菌のバランスが妊活中や妊娠中では重要です。
特にラクトバチルス属の乳酸菌は善玉菌として活動し、悪玉菌の増殖を抑制しながら膣内や子宮内の環境を整える役割を果たしています。
子宮内フローラの乱れは、ホルモンバランスの変動やストレス、不規則な生活習慣や免疫力の低下などによって引き起こされることがあります。
この記事では子宮内フローラの改善方法やなぜ乱れるのかを紹介します。
妊娠率を上げるためにも、子宮内フローラを改善していきましょう。
- 子宮内フローラの改善方法
- 子宮内フローラが乱れる理由
- 子宮内フローラの検査方法
この記事の監修者
子宮内フローラは改善すべき?
子宮内のバクテリア群集を指す子宮内フローラの改善は、妊娠率の向上につながります。
ここでは、子宮内フローラの詳細や妊娠率との関係について詳しく解説します。
そもそも子宮内フローラとは?
子宮内フローラの調整は、健康な妊娠を促す重要な要素です。
以前までは子宮内部は無菌状態にあるとされていましたが、1990年代以降の研究により、子宮内には特定のバクテリアが存在していることが明らかになりました。
特にラクトバチルス属の菌が豊富な環境は、妊娠率や妊娠の継続率を向上させることが2016年の研究で示されています。
このため、子宮内フローラを維持し、ラクトバチルス属の良好なバランスを保つことが、妊活をサポートします。
子宮内フローラが整うと妊娠率が向上する!
2016年の研究では、子宮内でラクトバチルスの割合が90%以上の女性は、90%未満の女性に比べて着床率、妊娠率、生産率が著しく高く、流産率は低くなることが明らかになりました。
ラクトバチルスの割合 | 着床率 | 妊娠率 | 生産率 | 流産率 |
---|---|---|---|---|
90%以上 | 60.7% | 70.6% | 58.8% | 16.7% |
90%未満 | 23.1% | 33.3% | 13.3% | 60.0% |
研究結果から、子宮内フローラの質を高めることで、妊娠率や妊娠の継続率を高めることができるという事実がうかがえます。
子宮内フローラを改善する「ラクトバチルス」の効果は?
子宮内フローラの充実が妊娠に及ぼす影響は、数々の研究で実証されています。
特に、乳酸菌の一種であるラクトバチルスは、子宮内フローラの質を向上させるとされています。
ラクトバチルスの効果として、主に以下の2つがあります。
- 子宮内環境を整える
- 悪玉菌の増殖を抑える
ラクトバチルスの特徴を詳しく確認してみましょう。
子宮内環境を整える
ラクトバチルスは女性の子宮内や膣内で生成される糖を乳酸に変換することで、子宮内環境を健康に保ちます。
なぜなら、乳酸が子宮内フローラのバランスを整え、病原菌から保護する役割を果たすため、感染症のリスクが減少するからです。
子宮内の環境が改善されることで、全体の健康状態にも良い影響を与えると考えられています。
悪玉菌の増殖を抑える
ラクトバチルスは子宮内の悪玉菌の増殖を効果的に抑制し、炎症の発生を防ぎます。
悪玉菌が増加すると炎症が引き起こされ、これが免疫反応を誘発し、場合によっては受精卵を異物と誤認して攻撃することがあります。
しかし、ラクトバチルスが豊富な環境では、これらの悪玉菌の増加と炎症が抑えられ、子宮内フローラが健康な状態に保つことが可能です。
この働きにより、妊娠へと導く適切な環境を整えることができます。
子宮内フローラが乱れる原因
子宮内フローラの乱れにつながる主な原因を紹介します。
- 生活習慣の不規則性
- 過度のストレス
- 慢性的な疲労
- ホルモンバランスの変動
- 免疫力の低下
これらの要因が組み合わさることで、子宮内のラクトバチルスの数が減少し、細菌叢のバランスが崩れます。
結果として、炎症を引き起こす微生物が侵入しやすくなり、子宮内炎症を招くのです。
これが過剰な免疫反応を引き起こし、正常な受精卵までもが排除されることにより、妊娠の確率が低下します。
ラクトバチルスが減少した際は、日常生活を見直すことも大切です。
子宮内フローラを改善する前に検査を受けてみよう!
子宮内フローラの状況は、検査を受けることで確認できます。
ここでは、子宮内フローラの検査について、以下の3つを詳しく解説します。
- 検査方法
- 検査結果
- 検査費用
検査を受ける前にあらかじめ確認しておきましょう。
検査方法

子宮内フローラの状態を知るためには、子宮内フローラ検査が推奨されます。
子宮内フローラ検査では、細い棒状の器具を腟に挿入して、子宮内の細菌を採取します。
採取自体は数分で完了し、痛みは少ないですが、時に少量の出血が伴うことを理解しておきましょう。
検査結果
子宮内フローラの検査で採取された組織からDNAを抽出し、ラクトバチルスを含む各種細菌の割合が分析されます。
検査結果を受け取るまでには約3〜4週間かかることが一般的です。
この結果をもとに、子宮内フローラのバランスを正確に把握し、適切な改善策を講じることが可能です。
検査費用
子宮内フローラの検査を受ける際の費用は、公的医療保険の適用外で約50,000円が必要です。
この検査は全額自己負担ですが、先進医療として認められているため、保険診療の治療と併用することが可能です。
費用面を考慮して、検査を受けるかどうかを検討しましょう。
子宮内フローラの改善方法3選
子宮内フローラを改善する方法には、主に以下の3つがあります。
- 腸内環境を整える
- 生活習慣を整える
- サプリを飲む
無理のない範囲で改善を目指しましょう。
子宮内フローラを改善する食べ物
子宮内フローラの健康は腸内環境と密接に関連しており、腸内フローラを整えることが推奨されます。
日々の食事で腸内環境をサポートする食材を取り入れることが効果的です。
ここでは、特に子宮内フローラ改善に有効とされる食材を紹介します。
食材カテゴリ | 具体的な食品例 | 効果説明 |
---|---|---|
発酵食品 | ヨーグルト、キムチ、納豆、ぬか漬け、味噌、チーズ、甘酒 | 善玉菌の供給源となり、腸内フローラをサポートする |
海藻類 | わかめ、寒天、もずく | 水溶性および不溶性食物繊維が腸内環境を整える |
オリゴ糖含有野菜・果物 | ごぼう、玉ねぎ、アボカド、バナナ | 善玉菌のエサとなり腸内の善玉菌を増やす |
大豆製品 | 豆腐、豆乳 | 大豆のオリゴ糖が豊富で善玉菌の活動を助ける |
日々の食事でこれらの食材を取り入れることで、子宮内フローラの改善を目指しましょう。
生活習慣を整える
子宮内フローラの健康を維持するためには、生活習慣の見直しが不可欠です。
特に、ストレスの蓄積や過度な疲労は免疫機能を低下させ、子宮内のバランスを崩す原因となります。
質の良い睡眠を確保し、定期的な運動を取り入れることが、健康的な子宮内環境を改善するために有効です。
生活習慣を整えることで免疫力を向上させ、子宮内フローラの改善を目指しましょう。
サプリを飲む
子宮内フローラの改善には、ラクトフェリンの摂取が効果的です。
ラクトフェリンは、乳製品に含まれる成分で、「ラクトバチルス」の増加を促し、子宮内環境を整える働きがあります。
ただし、通常の食品では加熱によりラクトフェリンの含有量が減少するため、十分な量を摂取することが困難です。
そのため、サプリを活用することが推奨されています。
さらに、ラクトフェリンには鉄分の吸収を助ける効果もあり、妊娠中の貧血防止や胎児の健康促進にも役立つため、さまざまなメリットが期待できます。
子宮内フローラの改善に関するよくある質問
- 子宮内フローラを整える食べ物は何ですか?
- 子宮内フローラが妊娠に与える影響は?
- ラクトバチルスが多すぎるとどうなる?
- 子宮内フローラの検査は保険が適用される?
- 子宮内フローラを増やすのにヤクルトは効果ある?
- 子宮内フローラ検査は意味ないって本当?
- 子宮内フローラ改善サプリのおすすめは?
子宮内フローラを整える食べ物は何ですか?
子宮内フローラの健康を支える食べ物には、発酵食品や乳酸菌が含まれます。
これらは善玉菌を増やすのに役立ちます。
また、食物繊維が豊富な野菜や大豆製品、海藻類、オリゴ糖を含む食品も善玉菌の栄養源となり、積極的に摂取することが大切です。
これらの食品を日々の食事に取り入れることで、子宮内環境が整い、健康が促進されます。
子宮内フローラが妊娠に与える影響は?
ラクトバチルスの割合が90%以上の場合、妊娠率は70.6%に達し、生児獲得率は58.8%と高い結果が見られます。
一方で、この割合が90%未満の場合の妊娠率は33.3%、生児獲得率はわずか6.7%にとどまります。
ラクトバチルスが多すぎるとどうなる?
ラクトバチルスが多い状態は一般的に子宮内環境にとって重要ですが、特定の状況下では以下のようなデメリットが生じる可能性も考えられます。
- バランスの乱れ
- 過剰な酸性環境
- 過敏症の発症
どの種類の細菌も、バランスが重要です。
ラクトバチルスが過剰になりすぎると、他の細菌の成長を抑制してしまうことがあり、フローラの多様性が損なわれる可能性があります。
また、ラクトバチルスは乳酸を生成し、子宮内環境を酸性に保ちます。
通常これは有害な細菌の増殖を抑制するのに役立ちますが、過度に酸性になりすぎると子宮内膜の健康に悪影響を及ぼすことがあるかもしれません。
非常にまれなケースですが、ある種の人々では特定の菌に対して過敏反応を示すことがあります。
ラクトバチルスも例外ではなく、個人によっては免疫系が過剰に反応することがあります。
子宮内フローラの検査は保険が適用される?
子宮内フローラの検査には、公的医療保険の適用がないため、全額自己負担となります。
費用は病院やクリニックによって異なりますが、一般的には約50,000円前後が目安です。
検査を受ける際には事前に費用を確認しておきましょう。
子宮内フローラを増やすのにヤクルトは効果ある?
ヤクルトなどの乳製品に豊富に含まれるラクトバチルスは、体内の良好な細菌の増加を助け、有害な細菌の増殖を抑制する役割を担っています。
したがって、ヤクルトを飲むことは、子宮内フローラを含む全体的な体内フローラのバランスを改善するのに役立ちます。
子宮内フローラ検査は意味ないって本当?
子宮内フローラ検査は、2022年6月に厚生労働省から先進医療として認められました。
東京都江東区に拠点を置くゲノム検査スタートアップ、Varinosが提供するこのサービスは、子宮内の細菌叢を詳細に分析し、不妊の原因を明らかにすることを目的としています。
子宮内フローラ検査により治療の方向性が明確になり、妊娠率を向上させることが可能です。
子宮内フローラ改善サプリのおすすめは?
子宮内フローラの改善におすすめのサプリメントとして、「ラクトフェリン」が挙げられます。
ラクトフェリンは、初乳や牛乳に含まれるタンパク質で、広範な健康効果が確認されている成分です。
この成分は、腸内の善玉菌を増やし、抗菌作用も持ち、さまざまな細菌やウイルスに対抗します。
「BABY&ME」ブランドのラクトフェリンサプリメントは、1ヶ月分7,290円で提供され、子宮内フローラの改善に効果を示すと報告されています。
これにより、着床環境の改善や卵巣機能の向上が期待でき、不妊治療を受けている方にとって有益です。
また、抗酸化作用により、新型コロナウイルスや感染症への対策、鉄欠乏性貧血や便秘、脂質代謝異常など、幅広い健康問題に対するサポートが可能です。
妊娠率を上げるなら子宮内フローラを改善しよう!
子宮内フローラの健康が妊娠や出産に大きな影響を与えることが、明らかになっています。
特にラクトバチルスが全体の90%以上を占めることは、良好な子宮環境の証とされています。
子宮内フローラを改善するための効果的な手段として、以下の3つを紹介しました。
- 腸内環境を整える
- 生活習慣を整える
- サプリを飲む
まずは、自身の子宮内フローラの状況を確認するために子宮内フローラ検査を受けてみましょう。