妊活におすすめの食べ物を紹介!食事に気を付けるべき理由は?

妊活をスタートしたけど、食べ物にも気を付けるべき?

妊活中に食べてはいけない物はある?

妊活中の食べ物に関して、このような悩みをお持ちではありませんか?

妊活において、栄養のある食事は健康な体を作る基盤となります。

適切な栄養素の摂取は、体調を整え、生殖機能を支える重要な役割を果たします。

この記事では、妊活をサポートするために必要な栄養素と、必要な栄養素を効果的に摂取できる食べ物を紹介します。

妊活中に食べない方が良い食べ物や意識すべきポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 妊活をサポートするために必要な栄養素
  • 必要な栄養素を効果的に摂取できる食べ物
  • 妊活中に食べない方が良い食べ物
  • 意識すべきポイント
  • 妊活時に食べ物を意識すべき理由

この記事の監修者

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阿部 一也医師

所属団体: 日本産婦人科学会

保有資格: 医師国家資格

医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。

妊活を成功させるためには食べ物に気を付けよう!

食事をするカップル

妊活を成功させるためには食べ物に気を付けることが重要です

健康的な体作りは妊活の基礎となります。

なぜなら、適切な栄養の摂取とバランスの良い食事は、排卵の健康を支え、妊娠しやすい体質を作るからです。

ここでは、食べ物の妊娠への影響と胎児への影響を詳しく解説します。

妊娠への影響

妊活を成功させるためには、健康的な食生活が基本です。

そのため、特定の食品のみを食べることや偏った食事は避けましょう。

バランスの悪い食生活は、女性ホルモンのバランスを乱し、不妊につながります。

また、食生活の乱れは肥満や生活習慣病のリスクを高め妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症を引き起こすことがあります。

卵子の機能を維持し妊娠率を高めるためには、ミトコンドリアを活性化させる適度な空腹感と有酸素運動が有効です。

規則正しい食事を心がけ、適量を守ることが妊娠への近道となります。

胎児への影響

妊活中の栄養バランスは、胎児の健康にも直結します。

胎児の成長に大きく関係している栄養素と、どのように役立っているのかを紹介します。

タンパク質胎児の体の組織を構築
脂質脳や目の発達
糖質エネルギー源
鉄分血液生成
カルシウム骨や歯の形成
葉酸神経系の障害予防

栄養素が不足すると、流産や早産、胎児の発育遅延のリスクが高まります。

過剰な栄養摂取は巨大児のリスクを増加させ、出産時の合併症を引き起こす可能性があります。

そのため、バランスの取れた食事を心がけるようにしましょう。

妊活中に意識して取り入れてほしい食べ物

食事をする女性

妊活中に意識して取り入れてほしい食べ物として、以下の6つを紹介します。

  • ビタミンD
  • 葉酸
  • オメガ3脂肪酸
  • 抗酸化ビタミン
  • 亜鉛
  • 鉄分

これらの栄養素が妊活にどのような役割を果たすのかや、どのような食べ物で効果的に取り入れられるのかを詳しく解説します。

ビタミンD

ビタミンDは骨の健康を保つだけでなく、ホルモンバランスの調整や免疫機能の強化にも重要な役割を果たします。

特に、生殖機能に関しては、ビタミンDが女性の卵巣機能や男性の精子の質を向上させることが知られています。

ビタミンDの十分な摂取は、妊娠の可能性を高めるために重要です。

女性では卵巣の正常な機能をサポートし、流産予防にもつながります。

男性では精子の運動能力や数を増やし、精子の健康を保つ効果があります。

ビタミンDを含む食べ物は以下のとおりです。

  • 魚類(サーモン、マグロ、サバ)
  • キノコ類
  • 強化牛乳やオレンジジュース
  • 卵黄
  • チーズ

成人男女のビタミンDの推奨摂取量は1日あたり15〜20μg(600〜800 IU)であり、過剰摂取を避けるようにしましょう。

葉酸

葉酸は胎児の神経管の正常な発育に不可欠なビタミンB群の一部です。

特に、妊娠初期には脊髄や脳の基礎を形成するため、葉酸の役割が重要です。

そのため、妊娠を計画する段階から葉酸の摂取を推奨されます。

適切な葉酸摂取は、神経管障害のリスクを低減し、赤ちゃんの健康な発育を支えます。

食事で葉酸を取り入れるなら、以下の食べ物がおすすめです。

  • ほうれん草
  • ブロッコリー
  • レバー
  • アボカド
  • レンズ豆

これらの野菜を日常的に摂ることで、必要な葉酸量を確保することが可能です。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は、健康な卵子や精子を形成し、妊娠の可能性を高めます。

特にEPAとDHAという成分が、受精や着床の確率を向上させることが期待されています。

なぜなら、卵子と精子の柔軟性を促進し、また炎症を抑えて子宮内膜の質を改善できるからです。

オメガ3脂肪酸を豊富に含む食べ物を紹介します。

  • サーモン
  • マグロ
  • サバ
  • チアシード
  • くるみ
  • アーモンド

これらの食材は適切な調理法を用いることで、おいしく楽しみながら必要な栄養素を摂取することが可能です。

しかし、過剰な摂取は避け、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

抗酸化ビタミン

抗酸化ビタミンは細胞の酸化を防ぎ、老化やダメージから体を守る効果があります。

これらのビタミンを積極的に摂ることで、体が健康に保たれるため、妊活中の女性にとっても理想的です。

特にビタミンCとビタミンEは、抗酸化に必要な代表的なビタミンです。

ビタミンCは新鮮なフルーツや野菜に多く、ビタミンEは植物性脂肪に多く含まれています。

カロテノイド類も同様に抗酸化作用が強く、特に橙色の野菜に多いです。

以下に、これらの栄養素を含む食品を挙げます。

  • オレンジ
  • イチゴ
  • グレープフルーツ
  • アーモンド
  • くるみ
  • アボカド
  • にんじん
  • かぼちゃ
  • トマト
  • パプリカ

トマトやパプリカは、加熱することで吸収が良くなります。

これらの栄養素を含む食べ物を日々の食事に取り入れることを意識しましょう。

亜鉛

亜鉛は体内のホルモンバランスを整え、生殖機能を支える酵素の活性化に重要な役割を果たします。

特に、精子と卵子の質を向上させ、それにより妊娠の可能性を高めるのに効果的です。

精子の運動能力や数、形状の正常性が向上し、卵子の健全な成熟を助け、受精力を高めることができます。

亜鉛が不足すると妊娠力の低下につながることが知られています。

亜鉛を含む食べ物は以下のとおりです。

  • 牡蠣
  • 赤身肉
  • 鶏肉
  • 豆類(大豆製品、納豆)
  • ナッツ類
  • 穀物

成人男女の亜鉛の推奨摂取量は1日あたり8〜12mgであり、過剰摂取を避けるようにしましょう。

鉄分

鉄分は赤血球の生成と酸素の運搬を助け、貧血を防ぎます。

特に女性は月経により鉄が失われやすく、妊娠中の胎児の健康な発育にも、十分な酸素供給が必要なため、鉄分は意識的に取り入れましょう。

鉄分には植物性と動物性がありますが、動物性の方が吸収率が高いです。

鉄分を効果的に取り入れる食べ物として、以下がおすすめです。

  • 赤身の肉(牛肉、豚肉)
  • 鶏肉
  • 魚類
  • 貝類
  • レバー
  • ひじき

植物性食品から鉄分を摂る際には、ビタミンCを一緒に取ると良いでしょう。

これにより、吸収が促進されます。

妊活中に避けた方がいい3つの食べ物

悩む女性

ここまで、妊活時に取り入れたほうが良い食べ物を紹介してきましたが、実は避けた方がいい食べ物も存在します。

妊活中に避けた方がいい食べ物として、以下の3つを紹介します。

  • 生肉
  • 生卵
  • トランス脂肪酸

子どもや健康のためにも、妊活中はこれらの食べ物は我慢するようにしましょう。

生肉

レバ刺しや生ハム、牛刺しや馬刺しなどは、トキソプラズマという寄生虫の感染リスクがあります。

この寄生虫は胎児に先天性異常を引き起こす可能性があるため、特に注意が必要です。

先天性異常には精神発達の遅れや視力障害、脳性麻痺などが含まれます。

さらに、生肉を避けることで、食中毒の原因となるO157などの細菌感染のリスクも低減されます。

安全を優先して、加熱処理された肉を選ぶようにしましょう。

生卵

生卵はサルモネラ菌に汚染されているリスクがあり、この菌による食中毒は流産や不妊の原因となることがあります。

そのため、卵を使った料理は必ず十分に加熱して調理しましょう。

ゆで卵や目玉焼き、卵焼きなど、しっかり加熱した卵料理を選ぶことがおすすめです。

このように安全対策を行うことで、妊娠中の健康を守ることができます。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、排卵障害や妊娠への悪影響のリスクを高める可能性があります。

トランス脂肪酸は菓子パンや揚げ物、マーガリンやショートニングに多いです。

これらの食品は悪玉コレステロールの上昇や心疾患のリスクを増加させることが知られており、肥満を招く可能性もあります。

健康的な妊活を進めるためにも、トランス脂肪酸が少ないオリーブオイルやアマニ油などの健康的なオイルを使った料理を心掛けましょう。

妊活中での食べ物に関する5つの注意点

食事をする女性

妊活では食べ物を取り入れるタイミングや時間も重要です。

ここでは、食べ物に関する注意点として、以下の5つを紹介します。

妊活中での食べ物に関する5つの注意点

妊活中は特に食事に気を遣うようにしましょう。

時間

妊活中は食事のタイミングにも注意が必要です。

毎日決まった時間に三食を摂ることで、生活リズムを整え、体内の機能を正常に保つことができます。

特に朝食を抜くことは、1日のエネルギー源を失うことになるためおすすめできません。

忙しい朝でも、簡単に準備できる食べ物を選んで、しっかりとエネルギーを摂取するようにしましょう。

この習慣が、健康的な妊活を支える基礎となります。

タイミング

妊活中の食事タイミングは、健康維持に重要です。

特に夕食は寝る2時間前に済ませることをおすすめします。

寝る直前の食事は体重増加のリスクを高め、胃もたれや浅い睡眠の原因になりがちです。

適切なタイミングで軽めの夕食を摂ることで、夜間の消化活動がスムーズになり、質の良い睡眠をサポートします。

この習慣が、体調を整え、妊活においてもプラスに働くでしょう。

早食い

妊活中は、食事の速度にも注意が必要です。

よく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、過食を防ぐことができます。

また、この習慣は消化機能を助け、胃や腸への負担を軽減します。

食事をゆっくりと楽しむことで、必要な栄養を効率良く摂取し、妊活における体調管理にも役立つでしょう。

食事のバランス

妊活中の食事で重要なのはバランスの良い栄養摂取です。

特定の栄養素だけを重視する偏った食事は避け、炭水化物や脂質の過剰摂取にも注意が必要です。

炭水化物や脂質は特に加工食品や外食に多く含まれているため、食事の選択には慎重になりましょう。

外食やお弁当を利用する際は、たんぱく質をしっかりとれるメニューを選ぶことが大切です。

バランスの取れた食事を心掛けることで、妊活に必要な栄養を効果的に摂取することができます。

体重

妊活中は体重管理に特に注意を払うことが大切です。

BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、18.5から24.9の範囲が健康体重とされています。

BMI22付近が最も健康リスクが低いとされる目安です。

適切な体重を維持することは、排卵を正常に保ち、妊娠後の合併症リスクを低減します。

妊娠中の理想的な体重増加は、妊娠前の体格により異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 標準体重の場合:10–13kg
  • やせ型の場合:12–15kg
  • 肥満気味の場合:7–10kg

体重が不足していると早産や低体重児を出産するリスクが、過剰な体重増加は巨大児を出産するリスクが高まります。

これらは赤ちゃんの発育に影響を及ぼすだけでなく、将来的な健康リスクにもなります。

妊活中には飲み物も意識しよう!

コーヒー

妊活中は食べ物だけではなく、飲み物も意識しましょう。

飲み物に関する注意点とおすすめの飲み物として、以下の3つを紹介します。

  • カフェインは極力控る
  • ハーブティーでリラックスする
  • 野菜ジュースで葉酸を取り入れる

好きな飲み物を飲むことはリラックス効果にもつながるため、無理しすぎないようにしましょう。

カフェインは極力控える

妊活中は、飲み物に含まれるカフェインの摂取にも配慮しましょう。

カフェインは日常的に多くの飲料に含まれているため、知らず知らずのうちに過剰摂取してしまうことがあります。

基本的な飲み物として麦茶のようなカフェインフリーを選択し、コーヒーや紅茶は1日に少量に留める習慣をつけることが望ましいです。

麦茶はミネラルが豊富で、カフェインを気にすることなく楽しむことができます。

ハーブティーでリラックスする

ハーブティーの心地よい香りは、リラックスやストレス発散に役立ちます。

ただし、ハーブの中には妊娠中に避けるべき種類があるため、選択には注意が必要です。

以下のハーブには注意しましょう。

  • ローマンカモミール
  • アロエ
  • シナモン
  • サフラン
  • タイム
  • ナツメグ

これらを含むハーブティーは、大量に摂取することは避けましょう。

スパイスとして料理に使う場合も同様に、摂取量に気をつけることが重要です。

適量を守ることで、ハーブティーは妊活をサポートする穏やかな飲み物となります。

野菜ジュースで葉酸を取り入れる

先述したとおり、妊活中に意識したい栄養素の1つが葉酸です。

そのため、イチゴやアボカド、マンゴーやパセリなど葉酸を含む食材を活用して、自家製のフレッシュジュースを作るのがおすすめです。

市販の野菜ジュースを選ぶ際には、糖分の含有量に注意しましょう。

また、飲み物の温度に関しては、体を温めることが常に必要というわけではありません。

暑い時期には無理に熱い飲み物を摂る必要はなく、自身の感じる快適な温度で飲むことを心がけてください。

冷たいものの過剰摂取は避け、バランスを取りながら飲むことが、健康的な食生活につながります。

妊活中の食べ物に関するよくある質問

  1. 妊活時に食べ物を意識すべき理由
  2. 妊娠しやすい身体づくりにおすすめの食べ物は?
  3. 妊活中に納豆を食べてはいけないのは本当?
  4. 妊活中にやってはいけないことは?

妊活時に食べ物を意識すべき理由

ビタミンDを多く含むきのこや魚は、卵巣の機能を向上させ、子宮内膜の状態を改善する効果があります。

また、不妊治療中の多くの方がビタミンD不足に苦しんでいることが研究で指摘されています。

ビタミンDを補うことで、着床率が上がる可能性があるので、積極的に取り入れるようにしましょう。

妊娠しやすい身体づくりにおすすめの食べ物は?

妊娠しやすい体を作るためには、バランスの取れた栄養が必要です。

肉や魚、卵や乳製品、大豆製品から摂れるタンパク質は、体の基本的な構成要素です。

次にビタミンDが豊富なきのこや魚は、子宮内膜の健康を支え、妊娠へと導く役割があります。

また、玄米のような低GI(血糖指数が低い)炭水化物は、血糖値の急激な上昇を抑えます。

BMIが低い場合は、適度な油を含む食事で体脂肪率を適正に保つことができるでしょう。

これらの食品を日常的に取り入れることで、妊娠しやすい体質へと改善することが期待できます。

妊活中に納豆を食べてはいけないのは本当?

妊活中の納豆摂取に関して、特に避ける必要はありません

納豆は葉酸やカルシウムなど、妊娠をサポートする栄養素が豊富に含まれており、妊婦に推奨される食品です。

これらの栄養素は、流産や先天異常のリスクを軽減する効果があるとされています。

さらに、大豆由来の納豆は、女性ホルモンのバランスを整える役割も果たし、妊娠に有利な体質づくりを助けます。

納豆に含まれるナットウキナーゼは血流を改善し、必要な栄養が生殖細胞に届きやすくするため、妊活中の女性には特におすすめです。

妊活中にやってはいけないことは?

妊活中に避けるべき行動には、薬の使用や喫煙、アルコールの摂取が含まれます。

特に、薬は医師の指導のもとでのみ服用しましょう。

市販薬に頼ることなく、体調の変化には専門家に相談してください。

また、喫煙は妊娠しにくさを増すだけでなく、妊娠中のリスクをも高めます。

男性も禁煙を心がけることで、受精と着床の可能性が向上します。

さらに、アルコールは妊活前から控えることが重要であり、妊娠が確認された後も、胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため避けるようにしましょう。

妊活を成功させるためには、食べ物にも気を付けよう!

料理をするカップル

妊活中におすすめする食べ物や栄養素、避けるべき食品について解説しました。

日々の食事で、栄養バランスを意識することは、健康な妊娠へとつながります。

ただし、「絶対にこれだけ」といった厳格なルールは逆にストレスとなり得るため、適度なリラックスも重要です。

バランス良く栄養を摂りながら、時には気分転換を図ることも大切でしょう。

これらの取り組みが、健康的な赤ちゃんを迎える準備につながります。

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